みずのやすこ 大正10(1921)年9月4日、母の実家である現在の岡山県勝田郡勝央町勝間田の浄土真宗正行寺に生まれる。
 昭和13(1938)年、東京女子美術専門学校(師範科西洋画部)にて本格的に油彩画を学ぶ。同校卒業後、郷里勝間田に戻り、岡山県立林野高校の芸能科講師となる。
 昭和24(1949)年、独立展に入選したのを機に以後同展に出品を続ける。同郷の先輩で独立美術協会で活躍した赤堀佐兵の感化を受けて、初期にはキュビズム風の作品を描いたが、次いで同じく独立の中山巍、そして中間冊夫、佐川敏子夫妻について学び、表現派風に移行した。
 昭和40(1965)年代末に描写力を活かした「写実的幻想主義」とでもいうべき独自の領域を拓く。樹木、鳥、花などの自然を独自の視線で捉え、力強い構成、無機質な質感を「白」を基調とした明るく冷たい色彩によって表現した。独立美術協会、女流画家協会で活躍した。
 平成25(2013)年4月5日逝去。享年91歳。

代表作:『四月風景』(2000)、『春枝』(2001)